医療法人TTB

腸内細菌(菌活)から考える花粉症対策②

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花粉症対策のための腸活②

花粉症対策のための腸活②

2023/03/06

今年はやっぱり花粉の飛散量が多いようですね。中にはこれまで花粉症の症状がなかったのに!という方も・・・・。そんな状況だからなのでしょうか?前回ブログの最後にお伝えした「酪酸菌」について詳しく話を聞きたいという声をいただきましたので、ここで詳しくお伝えしたいと思います。

 「酪酸菌」と関係していることなのですが、皆さんは花粉症対策に「さつまいも」が効果があるのでは?ということを聞いたことがありますか?1週間ぐらい前にもネットニュースに出ていましたが、「酪酸菌」の事を考えると確かに効果があるかもしれません。

 そこで、まずは酪酸菌の特徴についてお伝えいたします。

「酪酸菌」の特徴

・酪酸と呼ばれる酸を産生することで腸内を酸性にし、悪玉菌の産生を抑える

・整腸剤の原料になる

・健康長寿な人に多い

等の特徴があるのですが、花粉症との関係で何より重要なのが酪酸菌が作り出した酪酸が調節性T細胞(Treg)の分化を促進することで免疫機能の調整役を担うという点です。

また難しい名称が出てきてしまいましたが、できるだけ簡単にお話しすると、そもそも花粉症はスギなどの花粉(抗原)とヒトのカラダが異物(抗原)から防御するために作り出した抗体との抗原抗体反応(免疫反応)の結果です。抗体には多種多様な抗原に対応すべく様々な種類があるのですが花粉に対する抗体はIgE抗体と言います。そして、この花粉-IgE抗体の免疫反応は誰のカラダの中ででも起こっています。では、花粉症を発症する人と発症しない人の違いは何なのか?おそらく今までにこんな例えを聞いたことがあるのではないでしょうか?花粉症の人はコップからあふれている状態で、発症していない人はコップからあふれておらず許容範囲内となっているから発症しないだけで、あるとき突然コップからあふれて発症する可能性もある・・・と。このコップの例えはすごく的を得ており、このコップからあふれている物質こそIgE抗体というわけです。

 では、花粉症の対応策としてはIgE抗体がコップからあふれないようにすればいいわけですからおそらく対策方法は2つです。コップを大きくするか、IgE抗体の産生量を減らすか、です。誠に申し訳なく、残念ながら私自身の知識の中にコップを大きくする方法はありません。でも、IgE抗体の産生量を減らす方法ならありそうです。それが、Tregというわけです。

 先ほど、花粉-IgE抗体の免疫反応は誰のカラダの中ででも起こっているとお話ししました。くどいようですが花粉症の人であれ、花粉症でない人であれ、です。ただ、誰のカラダの中ででも起こっている免疫反応なのですが、花粉症の人ではIgE抗体が過剰に作られているという点で違いがあります。逆に花粉症でない人はIgEの産生量が調節され(抑えられ)ているというわけです。そして、その調整をしているのがその名の通り調節性T細胞(Treg)というわけなのです。やっと話がTregにたどり着きました。あとは、Treg細胞が増えてしっかり働いてくれればIgE量も減ってコップの中に納まり、花粉症発症まで至らないのでは?というわけです。

となると、当然、Treg細胞には増えてもらわないといけない。

そして、酪酸菌が作り出す酪酸がTreg細胞を誘導するわけですから、おのずと腸内の酪酸菌を優位にして、酪酸が十分出るように腸内環境を整えた方がいいですよね?ということになります。

 いかがだったでしょうか?個人的な考えではありますが、腸活をするなら菌活、菌活をするなら酪酸菌は外せない細菌です。もちろん、腸内細菌叢としてのバランスも大事ですが花粉症などのアレルギーを含めた免疫ではかなり重要な腸内細菌と言えるでしょう。ご長寿菌と呼ばれるのもなるほどです。

 最後に「さつまいも」は?というと、酪酸菌のエサは食物繊維です。食物繊維豊富なさつまいもを摂取して、酪酸菌にエサをやって積極的に酪酸を作ってもらう→Treg細胞を誘導→IgE抗体産生抑制、という流れです。サツマイモでなくても食物繊維豊富な食品やオリゴ糖なども有効ではないでしょうか?食物繊維が足りない食生活を送っている方は酪酸菌自体が減少している可能性さえあります。ご自身の食習慣を見直す参考にしてみてください。

 興味がある方は、腸内細菌検査もオススメです

追伸)コロナ禍において、重症化する/しないの違いを調べた時にサイトカインストームという言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?サイトカインストームもまた免疫の過剰反応であり暴走状態を示すワードなのですが、その暴走を止める役割をするのもまた今回お話ししたTregです。免疫を考える上で日頃からの食習慣が腸内環境へ大きく影響していることを理解していただけると幸いです。

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