こどもの“歯並び・噛み合わせ”： 「大人の歯が生えてくるまで様子を見ましょう」と言われたときの様子見期間に注意してほしいこと

お子様の“歯並びやかみ合わせ”について、「今は乳歯なので、永久歯に生え変わるまで様子を見ましょう」と言われた経験はありませんか？

保育園や幼稚園での健診の際や早ければ3歳時健診の際に乳歯での歯並びを指摘されることがあります。でも、実際に乳歯の状態では「大人の歯が生えてくるまで様子を見ましょう」と言われることが多いのではないでしょうか？

　確かに、乳歯だけの歯並びを矯正することはほとんどありません。でも今回お伝えしたいのは様子を見ている期間って様子を見るだけでホントに何もしなくていいの？ということです。

　コロナに伴う歯科医院への受診控えが解けてきたこともあるのでしょうか？最近、矯正に関する相談を受ける機会が多くなってきました。相談を受けてみると、様子を見ているうちに小学校入学前後になって永久歯への生え変わりが始まって、

・出っ歯

・デコボコの歯並び

・受け口（反対咬合）

等の状態が気になって・・・・という方が多く、この状況では矯正治療をご提案させて頂くことになってしまいます。

もちろん、歯並びを良くするためには矯正治療が必要なのですが、にしだ歯科医院では乳歯の頃から歯並びが悪くなる原因に対しての指導や治療について積極的に取り組み始めています。

　歯並びが悪くなる原因って何？と思われるかもしれません。

実は、歯並びが悪くなる原因は「悪習癖」や「悪習慣」です。歯並びが悪くなる原因として一般的に言われている：現代っ子がやわらかい食べ物を好む習慣（あごの成長発育）や遺伝的要因（親子が似た歯並び）を全否定するつもりはありません。でも、軟食や遺伝よりも「悪習癖」や「悪習慣」の方が「歯並び・噛み合わせ」への影響は大きいです。その大きな影響を様子見の期間中も続けたままにしておきますか？子供が成長する大事な時期ですので、悪い癖や悪い習慣をできるだけ減らした方がいいでしょうし、むしろ「悪習癖」や「悪習慣」とならないように赤ちゃんのうちから気をつけたいところではないでしょうか？当院ではママとこどものはいしゃさんのコンセプト導入に伴い「-1歳からの予防矯正」として妊娠中からお母さん向けに生活習慣の指導にも取り組んでいます。

話を「様子見期間」に戻すと、にしだ歯科医院でお伝えしている乳歯列でもできること、是非対策を取ってほしい事、それはズバリ「悪習癖」や「悪習慣」の改善です。

具体的には

・口呼吸習慣を鼻呼吸習慣に改善

・幼児嚥下と言われる異常嚥下の改善

・反り腰や猫背など姿勢の改善　　　　　です。

これら、３つの悪い「癖」や「習慣」は単独で影響しているのではなく、例えば「異常嚥下」があると→「狭窄歯列」→「低位舌」→「猫背」→「口呼吸」→さらに「低位舌」→さらに「姿勢」悪化・・・・と負の連鎖に入って行ってしまいます。その負の連鎖が様子見期間に起こってしまっているのです。始まりが何かは関係かりません、ゲームをするときの前方頭位→猫背→口呼吸→さらに猫背→・・・・などは最近よくあるパターンのようにも思います。

大人でもスマホ習慣→前方頭位→猫背（スマホネック）→肩こり、片頭痛・・・は既に自覚症状がある方もいるのではないでしょうか？猫背など姿勢の悪化が見られると→枕の高さが変わるなど睡眠姿勢の変化＝睡眠の質の低下→口呼吸→自律神経の失調→・・・・もうすでに立派な病気の完成です。（年齢や老化ではありません！）

　歯並びやかみ合わせが悪くなるのは口の中の形の変化で、「悪習癖」や「悪習慣」の結果です。でもその一方で「悪習癖」や「悪習慣」は子供たちの健やかな成長発育、発達についても影響しています。

にしだ歯科医院は歯科医院ですのでもちろん歯並びやかみ合わせについての治療も行っていますが、口の中のことだけでなく子供たちが健やかな成長発育、発達を迎えられるような環境づくり、情報提供にも取り組んでいます。永久歯への生えかわりを待つ間に負の連鎖による悪い影響が積み重ならないようにお子さんの日頃の過ごし方を注意して、「悪習癖」や「悪習慣」を見つけたら是非改善してあげてください。

参考までに、当院で将来の歯並びが心配されることが予測される際に親御さんにお聞きすることを列挙しておきます。「悪習癖」や「悪習慣」の別の一面ですので、お子さんの状態に思い当たることがないかご確認ください。

・お口ぽかん（口呼吸）

・猫背、反り腰、姿勢が悪い

・寝相が悪い

・いびきをかく

・朝起きた時に口臭がする

・猫舌

・固いものを食べたがらない（呑み込めずに吐き出す）

・食事中、手やひじをついて食べる。足をぶらぶらさせる

・クチャクチャ音をたてて食べる

 

気になることがあれば、お気軽にご相談ください