すごい歯ブラシ！

師走に入って、大掃除の季節ですね

口の中も大掃除！ということでかかりつけ歯科医院でのリコールをお勧めしたいところですが、今回はちょっと違って日ごろ使っている「歯ブラシ」について

 

皆さんは歯ブラシについて「こだわり」がありますか？

私が患者さんから一番よく尋ねられるのは、毛の硬さ問題です。それ以外にも

・ブラシの大きさ（植毛部分の面積）

・毛の長さ

・毛の先端がフラットかテーパー（先細り）か？

・ヘッドの厚み（柄と同じ厚みだとヘッドが大きくなり奥が磨きにくい）

・柄とブラシの角度

等がこだわりの「違い」としてあるようです。

 

では、どれが一番よく磨けるの？というと

スミマセン🙇　それぞれの口の中を見ないと判断できません。

 

ただし、歯ブラシには1つだけ大原則があります。それは、

 

重要！：ブラシの毛先が当たったところの汚れ（プラーク）だけが取れる

 

です。歯と歯の間など毛先が当たっていないところは磨けないのです。そのため、弱い力でも歯と歯の間にブラシをできるだけ添わせることができるようにと一般的には柔らか目の歯ブラシをお勧めする場合が多く、それでも毛先があたらず磨けないところをフロスや歯間ブラシなどの補助清掃器具で磨くことをお勧めされているのではないでしょうか？でも、やわらかいと毛先がバラバラになりやすく、使用期間が短くなってしまうデメリットもあります

 

硬い歯ブラシで強い力で磨いては？と思うかもしれませんが、普段お使いの市販されている歯磨剤（歯磨き粉）には研磨剤が入っているので歯にキズを付けてしまうためお勧めではありません。

 

洗車で例えるなら、

硬い歯ブラシ＝機械洗車、柔らかい歯ブラシ＝手洗い　みたいな感じです。

 

折角ですので、ホワイトニングについても少しご説明しておきます。脱マスク習慣の影響からか、ホワイトニングを希望される方が最近多くいらっしゃいます。

歯の黄ばみやくすみは歯の表面にできたキズ（歯ブラシの時のキズも含む）やエナメル質の構造上のひびに汚れが入り込んでくすんでいる状態です。

例えば、コーヒーカップや湯呑にコーヒー渋や茶渋がついていたら皆さんどうしますか？

ひと昔前ならクレンザーつけてゴシゴシ・・・だと思います。でも、それを繰り返すと表面にキズがついて汚れが付きやすくなりませんか？それに代わる方法だとハイターに漬けておくということもでき、これだと繰り返してもつきやすくなるってことはないですよね？

つまりは、クレンザーが研磨剤入りの歯磨剤で、ハイターがホワイトニング剤です。

注１：ホワイトニング剤はハイターとは全く違う成分ですので口の中には入れないように！あくまで作用イメージとしての例です。

注２：ホワイトニングをうたっている歯磨剤を使っている場合、エナメル質にどんどん傷をつけている可能性もあるのでくれぐれもご注意ください。

 

では、「すごい歯ブラシ」にもどって、今回私が初めて使ってみた「すごい歯ブラシ」は

 

クラプロックス　ベルベット（スイス）

 

で、何がすごいって、まずその価格！

 

1本1296円

 

1本ですよ！1本！

まず、誰も買わないだろうと思いますよね？普通だったらそうなのですが、メーカーの方に勧められて毛先を触った感触がまさにベルベット！ここまで柔らかさを感じた歯ブラシはこれまでありませんでした。

当院のコンセプトとして歯磨剤は天然成分で研磨剤なしをお勧めしているという観点もあいまって、歯の表面にキズをつけない歯ブラシという点で興味を持ち今回試してみた次第です。

 

結果はというと、個人的には「素晴らしい」の一言です。

 

何が素晴らしいかというと、汚れ除去の効率！

一般的な歯ブラシの毛の本数は、700～1200本と言われています。これに対しクラプロックス　ベルベットは12460本で実に10倍以上！

毛が多いということは接触面積も大きいため汚れが落ちやすい、しかも毛が密になってることで毛細管現象が働き汚れを吸い上げてくれるという相乗効果も相まっているようです。

毛が柔らかいと使用期間が短いのでは？と思われるかもしれませんが、通常のナイロン毛とは形状も質も違うらしくメーカー発表ですが、適切な力加減で使うと3か月持つらしいです。

ということは、通常の歯ブラシがおおよそ1か月が使用目安ですのでクラプロックスは1本432円／月となって割高感はずいぶん解消したイメージです、がそれでも皆さんにオススメ！とは言いにくいです。

 

では最後に、私ならどういった人にオススメしたいか？というと

 

歯を大事にしている人、歯に人生や健康など価値を感じている人

 

です。皆さん歯を大事にしている、健康でいたいと思っているかもしれませんが意外と温度差もあります。先ほど、歯磨きを洗車に例えましたが車への思い入れの違いによって洗車の頻度も違えば方法も様々だと思います。車だと、定期的にコーティングをしている方もいらっしゃいます。（コーティングとは、傷ついた塗装の表面の一部を削り取って新しく表面に塗装し直すことです。長崎だと路面電車の影響からか沿線では鉄粉？が飛んでいるらしくボディ表面が傷みやすく、汚れやすいそうで以前は私も結構コーティングをしてもらってました）

コーティングしてしばらくしてから洗車する際に機械洗車する人はいないと思います。やっぱり手洗い洗車だと思います。

 

つまり、すごい歯ブラシとは、今までは機械洗車しか方法がなかったのに、クラプロックス　ベルベットでこだわりの手洗い洗車が家庭でもできるようになったというとらえ方でいます。

興味持たれた方は受付にサンプルがありますので、手に取ってベルベット感を是非感じてください。

 

追伸①：洗車の例えで説明した「コーティング」、実は「エナメルコーティング（もしくはエナメルパック）」と言って表面のキズをふさいで歯の表面をツルツル・ピカピカにする方法もあります。ご興味ある方はご相談ください

追伸②：虫歯の治療で白の詰め物（レジン）という材質があるのですが、このレジンには保険と自費の治療があります。値段も大きく違うので、どういう違いがあるの？と聞かれることがあるのですが、もちろん色のバリエーション的にも違いがあるのですが大きく違うのはむしろ含有成分のちがいによる硬さ＝キズの付きやすさです。

クラプロックス歯ブラシの普及が保険レジンのキズの付きやすさ＝プラークの付きやすさというデメリット解消につながることにひそかに期待しています。