「起きてすぐ歯磨き」で健康習慣を！

皆さん、朝はみがきのタイミングは朝ごはん前ですか？それとも朝ごはん後ですか？

 

にしだ歯科でおススメしているのは断然「起きてすぐの歯みがき」です。

 

最近来院された方にはできるだけ理由も併せて説明しているのですが、少しお話しただけで納得して「いいこと聞きました」「ありがとうございます」とまで言われる内容ですので皆さんも読んでいただき健康習慣への参考にしてください。

 

早速ですが、日本人を対象に朝の歯みがき習慣について朝食前、朝食後のどちらに行っているのかをリサーチしたデータは探し出せませんでした。これまでの私自身も含め、体感的には朝食後の方が多めのように思っています。

 

そしてそれぞれの理由について、

朝食前に磨く方は、口臭や口腔内の不快症状の解消を目的とした方が多いようですし、朝食後の方は虫歯予防の観点からしっかりプラークコントロールを、といった観点の方が多いようです。

 

そして今回、朝食前、できるだけ起きてすぐの歯みがきをお勧めする理由はこれまでとは全く違います。

 

それは、歯周病（歯周炎）の発症メカニズムにまでさかのぼるのですが、これまでの考えでは歯周病原菌が口腔内に感染して増殖し、歯肉に炎症を起こすと考えられていたのですが（今でも学会や教科書的には変わりありません）最近発表されたメカニズムでは、歯周病原菌を食べ物と一緒に飲み込んで歯周病原菌が腸に至ると、腸の壁にある特殊な細胞（M細胞）から腸壁をすり抜け免疫細胞（Th17）を活性化、その活性化した免疫細胞が体中をめぐっているうちにもともと居た歯肉で歯周病原菌と出会って攻撃（免疫応答）することで歯肉で炎症が広がる・・・といった具合です。

 

わかりやすく、さらにコンパクトにまとめると

歯周病は歯肉で起こっているけど、実は腸内で始まっているということです。

そして、腸内で歯周病が始まるきっかけが食べ物と一緒に飲み込んだ口の中の歯周病原菌というわけです。

 

このメカニズムだけでも私的には衝撃でしたが、調べてみるとさらに興味深いことがわかりました。それは、上記の腸壁M細胞を通り抜けてTh17免疫細胞を活性化するのが細菌だけでなく「カビ」もだということです。

 

細かく説明すると本1冊でも足りないぐらいなので「カビ」について多くは語りませんが口の中にいても、腸の中にいても「カビ」はものすごく厄介な存在です。（本当です）

 

高温多湿という日本の住環境上、日本人のほとんどがカンジダ（カビ）を持っていると言っても言い過ぎではないと思っています。（実際、来院患者の大半の方で位相差顕微鏡検査にてカビを確認できますし、さらにはコロナ禍のマスク習慣により口呼吸者が増えたことでさらに説明機会が増えている次第です）

 

話を歯みがきに戻して、歯周病原菌をはじめとした口腔内細菌やカビが腸内に入ってしまうと免疫細胞を活性化し歯周病やその他の疾患の原因になるのなら、口腔内細菌が腸内へ落ちこまないように洗い流して吐き出したらいいよね！というのが「起きてすぐハミガキ」の理由です。

 

このような説明をしていると、３度の食事前毎に歯みがきした方がいいですか？との質問を患者さんに聞かれることがありました。この回答として、現時点では昼食、夕食前は必要ないように考えています。その理由は、水分補給を含め時々は食べてるか飲んでるかしていて口の中に何もない時間が寝ている時間より短いということと何より、起きているときは寝ているときよりも唾液が出ているので唾液の抗菌効果が働くハズだからです。

（残念ながら、口呼吸は唾液を乾燥させるので抗菌効果が減ってしまいカビや雑菌は増えてしまいますので日ごろの呼吸にも注意してください。←上述、マスク習慣の弊害としての口呼吸）

 

これからの季節、インフルエンザ対策に帰宅時の「うがい」をする方も多いことでしょう。イソジンなど、インフルエンザやコロナ対策としては賛否両論あると思いますが、外出時に会話などで口の中に入った雑菌をそのままご飯と一緒に飲み込まないように帰宅時にうがいや歯みがきを行うことは上記の腸免疫の理論では結構効果的なのではないかと個人的には考え直しています。共感いただける方は、帰宅時うがいも併せて新習慣として取り組んでみてはいかがでしょうか？

 

～まとめ～

寝ている間に増えてしまった口の中の細菌を朝食やコーヒーと一緒に飲み込んでしまうと歯周病をはじめとした病気のもとになってしまいます。

そうならないためにも「起きてスグ歯磨き」で健康習慣を！